「いわき病院」の移転で内科が無くなる予定のいわき市平・豊間地区の住民がこのほど、豊間団地集会所で、当法人医療部の齋藤百合子部長を講師に招いて在宅医療を学びました。住み慣れた豊間地区で安心して暮らし続けられるよう、住民は「地域包括ケアシステム」や、訪問医療、介護サービスについて理解を深めました。
● 豊間団地管理会 初の勉強会
豊間地区は1919(大正八)年に誕生した県立結核療養所を前身とする「いわき病院」が住民の健康を支えてきました。ですが「いわき病院」は2月、小名浜地区に移転予定。地区の医療資源が減ることに不安を感じた豊間団地管理会が初めて勉強会を企画。同会が縁のあった当法人の職員に依頼し、齋藤部長を講師に招きました。
● 医療は「病院完結」ではなく「地域完結」へ
勉強会は定例のお茶会に合わせ、12月19日に開催。住民約45人を前に齋藤部長は、30.6%といういわき市の高齢化率や、国民の4人に1人が75歳以上になる2025年問題を説明。深刻な超高齢化社会で高齢者を支えていくため医療の在り方は、病気だけを治す「病院完結型」から複数の医療機関と連携して急性、回復、慢性期を支援する「地域完結型」に移行している国の対策を話しました。住み慣れた地域で暮らし続けるために医療や福祉、住民が連携して支え合う「地域包括ケアシステム」の構築にも触れました。豊間地区を所管する平地域包括支援センター中央台サブセンターや、当法人を例に「訪問診療」「訪問看護」で受けられるケアや料金、対象患者などを紹介。在宅生活を支える介護支援専門員(ケアマネジャー)、ヘルパー、訪問薬剤師、訪問歯科医のサービスにも触れました。参加者は熱心に耳を傾けていました。豊間団地管理会は引き続き在宅医療の勉強会を重ねていく予定です。
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