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投稿:2019年09月06日

661. オレンジカフェ 運営アイデアを共有・事業所が意見交換

オレンジカフェを盛り上げよう―。いわき市の「オレンジカフェ以和貴」を受託運営する全事業所がこのほど、同市の共助拠点「あらたな」に集まりカフェ運営に関する意見交換を行いました。あるカフェからは「集客」「内容の充実」「参加者の移動手段」などが課題で挙がる一方、口コミで参加者が増えているカフェや地域と上手に関わっているカフェもあり、参加者同士で具体的なアイデアを交換。グループワークでは「自分が行きたくなるカフェ」を考え合い、面白い案も飛び出しました。

 

 

● 受託運営する全事業所の担当職員ら参加

「オレンジカフェ以和貴」は市地域包括ケア推進課が主催。看護師や保健師、介護支援専門員(ケアマネジャー)ら専門職が常駐し、地域の方々の悩みに応えます。2015(平成二十七)年11月に始まり、現在は平、小名浜、勿来、常磐、内郷、四倉、好間の7地区計9会場で毎月1回開催されています。意見交換会はオレンジカフェ運営における各事業所のアイデアを共有して盛り上げていこうと、市地域包括ケア推進課が8月28日に開催。受託運営する9事業所(※)の担当者のほか、「あらたな」で「いつだれkitchen(キッチン)」を運営するNPO法人布紗、小名浜地区でカフェを自主開催している石井医院の担当者、地域包括支援センターの職員が参加しました。

 

※ 「オレンジカフェ以和貴」を受託運営している事業所。かっこ内は開催会場(2019年8月現在)

平地区:株式会社ロングリバー(イトーヨーカドー平店)

小名浜地区:サニーポート小名浜(同施設)、小名浜ときわ苑(丸ほん)

勿来地区:グループホームわいの家(同施設)、いきがい村(同施設)

常磐地区:サンライフゆもと(同施設)

内郷地区:かいごステーションさざんか(ラウンジミュウ)

四倉地区:楽寿荘(よつくら喫茶レオ)

好間地区:当法人グループの社会福祉法人いわきの里(同施設)

 

● 集客するには? 内容工夫するには?

各事業所が順番に現状などを報告。「リピーターで盛り上がっているが、商業施設という場所柄、落ち着いて個別相談するスペースに配慮が必要」という意見を挙げると、同じく商業施設で開催している事業所からパーテーションの活用を勧められ、改善のヒントを得た様子。集客の方法についても活発に意見が交わされ、ある事業所は「チラシを参加者や地域の協力機関に配布」したり、施設内で開催している事業所は「時々は自分たちが地域に出て『出張カフェ』を開催」したりと、各事業所の工夫を共有しました。また、市の担当者はリーフレットを作成中でより多くの方への広報を検討していると報告しました。

 

 

ある事業所は、新たな参加者を呼び込むための内容の工夫に関するアイデアを募ります。他の事業所や市の担当者からは「男性職員によるハンドマッサージが女性参加者に好評だった」「趣味を持つ施設職員を見つけてワークショップをしてもらう」といった意見が出ていました。8月にオレンジカフェを初開催したいわきの里の職員は「施設のご利用者様の家族に呼び掛けて参加者が増えていった」という他の事業所の例を聞き「取り入れたい」と改善に前向きでした。

 

※ 市の担当者が参加者に紹介した「認知症カフェ事例集」。全国各地の地域性や人口規模が様々な場所で運営されている認知症カフェの特徴が参考になります。(認知症介護研究・研修センターが運営する「認知症介護情報ネットワーク」HPより)

https://www.dcnet.gr.jp/pdf/cafe/cafe-A3.pdf

 

● 「ほかのカフェ見学したい」「学校と連携したい」

「今後取り組みたいこと」では、「認知症の方とご家族が参加しやすくなるよう、施設のご利用者と一緒に開催したい」「ほかのオレンジカフェを見学して、良い点を取り入れたい」「地区内に学校があるので、生徒と一緒に何かやってみたい」「雑談の中でも相談しやすい環境をつくる」「積極的に出張開催したい」「介護経験者の参加をうながして経験談を語ってほしい」などの意見がありました。

 

● 「通いたくなるカフェとは?」

後半のグループワークは「どんな人でも通いたい、通いたくなるカフェとは?」をテーマに、4グループに分かれて議論。「おいしい、おしゃれ、楽しい」「音楽が流れている」「入った時に違和感のない空気」「おいしい食べ物がある」といった雰囲気の演出やメニューに関するアイデアから、「ステキな男性がいる」「話を聞いてくれるマスターやママがいる」といった看板スタッフ案、「趣味が語り合える場所」「自己肯定できる場所」といった生きがいや自信を生む環境づくりなどの意見が出ていました。

 

↓通いたいカフェのアイデア

 

  

 

 

<感想>

ご家族が認知症になった時、皆さんは安心して一緒に外出できますか? 「恥ずかしい」「奇異な目で見られる」と家に閉じ込めることはないですか? 認知症になっても社会の一員として安心して生活できる地域にするため、その拠点となるのがオレンジカフェだと思います。そのカフェをもっと地域の皆さんに知ってもらおうと、担当者が互いに知恵を絞っています。カフェを盛り上げるためにも住民の皆さんの応援が欠かせません。一人でも認知症に理解を深めることで、認知症の方も安心して暮らせる地域に一歩近づきます。コーヒーを飲みに行く軽い気持ちで構わないので、ご都合のある時にぜひお近くのカフェにお立ち寄ってはいかがでしょうか。

 

【オレンジカフェ以和貴の日程(いわき市HP)】

http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1454293773647/index.html

 

【オレンジカフェ以和貴の記事】

「わいの家」2019年4月19日投稿:https://iwakikai.jp/blog/506/

「ラウンジミュウ(受託運営事業所:さざんか)」2019年4月26日投稿:https://iwakikai.jp/blog/621/

「イトーヨーカドー(受託運営事業所:ロングリバー)」2019年5月21日投稿:https://iwakikai.jp/blog/898/

「サンシャインよしま」2019年8月28日投稿:https://iwakikai.jp/blog/1917/

「サンライフゆもと」2019年9月2日投稿:https://iwakikai.jp/blog/1954/

 

【オレンジカフェの意義や運営を考える公開講座】

㊤「なぜ必要か」2017年9月2日投稿:https://iwakikai.jp/blog/1945/

㊦「運営のアイデア」2017年9月5日投稿:https://iwakikai.jp/blog/1947/