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投稿:2018年01月15日更新:2021年12月10日

山内クリニック コラム - 岩井淳一

【コラム.33】創傷(医師・岩井淳一)

投稿日:2018年1月15日

更新日:2021年12月10日

年末はお相撲さんの頭の創傷の話題でもちきりでした。例の診断書には前頭部裂傷とありましたが、ひとことに創傷といっても実はいろんな種類があります。日本救急医学会では下記のように定義・分類されています。

一般的に「創」とは開放性損傷を意味し、「傷」とは非開放性損傷を意味するが、広義にはすべての損傷を意味する。

切創(せっそう)・・・鋭器による開放性損傷で、創縁は直線上、正鋭ではなく挫滅縁があり、創端(創角)は破裂状、創面は平坦でなく、創洞は楔状で架橋構造を有しない。

割創(かつそう)・・・重量のある物体が体表面に打ちつけられて生じる開放性損傷で、創縁は直線状、正鋭で挫滅縁がなく、創端は尖鋭、創面は平坦、創洞は楔状を呈し架橋構造を有することが多い。

刺創 (しそう)・・・刺器による損傷で、刺器の種類により創の形態は異なる。

挫創(ざそう)・・・鈍的外力が作用して生じる開放性損傷で、創縁は不整、表皮剥脱をともない、創端は不整、創面も不規則・不整、創洞は架橋構造を有することが多い。

裂創(れっそう)・・・鈍的外力により表皮が過度に伸展されて生じる開放性損傷で、創縁は不規則・不整、創端、創面も不規則・不整、創洞は架橋構造を有する。挫創との区別はつきにくい。

杙創(よくそう)・・・先端が比較的太く、鈍な鉄筋や杭などの器が貫入した開放性損傷で、貫入した器の種類によつて創の形態は異なる。

剥皮創(はくひそう)あるいはデコルマン・・・交通事故などの際、皮膚・皮下組織が回転するタイヤなど強い牽引力によって筋組織から剥脱されて生じる皮膚損傷。

 

ちなみに医療用ホッチキスとは正式にはスキンステープラーと呼ばれ、手術後などに皮膚を縫合するために使われる器具のことです。糸で縫合するより治療時間が比較的短くて済みます。いずれにせよ創傷を負わすような暴力はいけませんね。

 

※この記事は、朝日サリー(2018年2月号)「ハートでクリニック」に掲載されました

(この記事を書いた医師・岩井淳一)

 

岩井淳一医師プロフィール

金沢医科大学卒業後、同病院救命救急科での勤務を経て、2015(平成27)年より山内クリニック勤務。2011(平成23)年に発生した東日本大震災ではDMATとして宮城県に派遣された経験を持つ。現在は、外来診療・訪問診療のほか、「いわき市医療センター」の救命救急センターの非常勤医としても勤務しており、救急から看取りまで幅広く対応している。

※詳細は医師紹介ページ

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