いわき市平地区の医療・介護・福祉関係者が交流する「平在宅療養多職種連携の会」がこのほど、オンライン上で開かれました。終末期患者の意思を確認するのに役立つボードゲーム「人生すごろく」を、いわき市職員が紹介。参加者は実際にこのすごろくを体験し、楽しくお互いを知り合える良さを感じました。
人生すごろく紹介動画:https://www.youtube.com/watch?v=1c3Eucn6xoY
● 30人が参加
医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護職員など30人が参加。12月21日に開かれました。開発を進めている「人生すごろく」を発表したいわき市職員は「いわき発の大発明 人生すごろくでアセスメント革命」と題して発表。全国的に福祉業界の人材不足が深刻で、高齢患者が急増するのが予想される中「10年後に『地域包括ケアが進んでいない』と後悔したくない」と熱い思いを口にしました。
● 人生すごろくを説明
終末期患者の望む最後を迎えられるよう支援するためにも患者の意思を聞き取るのは重要な一方、「人生の最後の迎え方」を聞くには重いテーマで敬遠されてしまう課題がありました。市職員はゲーム感覚で楽しみながら人生観や望む終末期医療などを聞き取れる「人生すごろく」を説明。サイコロを振って駒を進め、止まったマスで質問カードを引いて答えます。カードには「子どものころの夢」「好きな季節」といった軽い質問のほか「口から食べられなくなったらどうするか?」などの人生の最後の迎え方に関する質問も。市職員は「楽しくコミュニケーションを取りながら、一人一人の人生を深く知ることができる」「デイサービスで使って患者様の考えを聞き出すことができれば、ご家族も知らないような新たな一面を知れて共有できる」とアピールしました。
● 「しにくい質問もゲームだと聞きやすい」
参加者はオンライン上でグループに分かれて人生すごろくを体験。参加者からは「意外な趣味も知れて楽しかった。職場や飲み会でもできる」と職員間のコミュニケーションツールとした使い方を提案。「はじめましての方ばかりだったが、子どもの悩みやどんな親だったかも知ることができた」「最初はみんなお話してもらえるかドキドキしたが、色々なエピソードが聞けて楽しかった」「質問しずらいこともゲームだと聞くことができた」という好評の声もありました。大学で学生にコミュニケーションを教えているという参加者は「楽しかった。カードの文言を変えて教育でも使えそう」と太鼓判を押しました。同多職種連携の会の山内俊明会長(山内クリニック院長)は「みんながにこやかになれるツール。またこれを使ってみんなで交流してもいい」と話しました。
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