医和生会グループの職員研修がこのほど、当法人のやがわせデイサービスで開かれ、職員は「介護人としての倫理」をあらためて肝に銘じました。医和生会グループの社会福祉法人「いわきの里」の村井弘施設長が講師を務め、介護施設で虐待(ぎゃくたい)が起こった事例を通して防止策をアドバイスしました。
● 「ルールを破るのは悪い事だと本当はみんな分かっている」
村井施設長は元体育教諭で小名浜一中などの校長を歴任したほか、健康運動指導士や介護予防指導士の資格も持ちます。「介護に係わる者の倫理」と題し、出席した職員47人に講話しました。村井施設長は倫理という堅い言葉を簡単に表し、法律や規則を守る「善の心と正しい行い」と説明。国や県、市町村、学校、会社などには守るべき倫理と道徳の規準があり、ルールを知らない新人教育や時間とともに規範意識が薄れるため研修が必要だと訴えました。「ルールを破るのは悪い事なのは、本当はみんな分かっている」と指摘し、「悪い事をしたい気持ちを抑え込む」「ばれなくてもズルをしない」「嘘をつかない」などの我慢の大切さを呼び掛けました。
● 規則守れない→自己中心→孤立→暴力
いわき市内で最近発生した介護職員の事件を挙げ、実際に起こりうるという危機意識をあらためて認識させます。規則を守れず我慢ができなくなって自己中心的になり、周囲から孤立し、介護を必要とする不自由な立場のお年寄りに暴力、虐待する悪循環を指摘。虐待防止の事例演習では、忙しい夜勤時に頻繁に寄り添ってくる利用者に対して平手打ちをした介護職員を取り上げました。退勤後に別の職員が出血に気付き、さらに繰り返されていたのが判明したケースで、防止のポイントを挙げます。一つ目は「ケアの内容や考え方の見直し」で、対応に困っても「問題行動」と考えずに対応し、職員全体で共有してケアの意思統一を図る。二つ目はケアを行う体制の改善。経験不足の職員を一人で夜勤させない環境、性格やストレスの把握、職員個人ではなく全体の問題としてとらえ、職員間の情報共有の確立を考えるようアドバイス。三つ目は組織的な対応の在り方で、事故が発生したら早い段階で情報を開示し、施設全体で再発防止を図るよう呼び掛けました。
【法人内研修の関連記事】
「通所介護計画書」
<医和生会(いわきかい)の求人・採用情報>
医和生会は1年以内の新卒離職率0%!新卒フォロー面談や「若手ラボ」といった教育支援を通して、若手職員の定着につなげています。
https://iwakikai.jp/recruit/