いわき市平地区の医療・介護関係者が情報交換する「平在宅療養多職種連携の会」が、このほどオンライン上で開かれました。本年度初の開催で、昨年度の活動報告、本年度の計画を確認した後、近況やコロナ対策、ケアでの悩みを共有しました。
● 本年度も協力し合う
医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)らが参加。昨年度の活動報告では、毎月1回開催した勉強会の内容を簡単に振り返り、のべ386人が参加しました(※昨年度の勉強会も含めた毎月の記事)。本年度も毎月1回、医師、歯科医師、薬剤師、主任ケアマネジャー、リハビリ職、栄養士、訪問介護職、行政職員が講師を務めて講話する事業計画を確認しました。参加者からは本年度もみんなで協力し合って医療介護の質を高めていく決意の声が聞かれました。秋に講話予定の甲状腺の専門医師は「高齢者の中には甲状腺疾患が隠れていることがある。そういったケースを取り上げたい」と意気込みました。
● 近況報告
その後、近況報告や悩みの共有、初参加者の自己紹介などで情報交換しました。リハビリ特化型のデイサービス職員は、コロナ予防で通所を休み運動不足や交流がなくなるご利用者様への支援の難しさを共有しました。初めて参加し、5月から訪問診療を始める歯科医師は自己紹介。訪問診療に向け、医師や歯科衛生士の数をそろえて体制を整えた現状を語りました。訪問先で歯科診療する時の体勢は腰に負担が掛かるようで、その対策の話題にもなりました。患者様は車いすに座ったりベッドで横になっているなど、院内とは違う環境で診察する大変さが語られました。胃ろうの話題では、造設が得意な医師が病院に胃ろうの指導免許を持つ看護師がいてアドバイスできると呼び掛け。ケアマネジャーは「胃ろうになると受け入れる施設が少ない」と課題を述べ、どんな胃ろうだと受け入れられるのか医師から尋ねられるやり取りも見られました。
● 看取り体験の共有も
最近ご家族を在宅で看取った歯科医師がその体験を共有。体調が悪化してから亡くなる1週間前、前日の状況を語り、「安らかに看取ることができた」とケアに携わった方々に感謝していました。山内俊明会長(医和生会山内クリニック院長)は「ご利用者様が困った時に、医者だけでも、歯科医師だけでも、薬剤師だけでも、ケアマネだけでも対応できない時に、こうしてメンバーで相談し合える有意義な時間を本年度もつくりたい」と締めました。
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