いわき市平地区の医療・介護・福祉関係者が交流する「平在宅療養多職種連携の会」がこのほど、オンライン上で開かれました。発表者のいわき市介護保険課の職員が「ケアプランデータ連携システム」と「令和6年度介護報酬改定の動向」をテーマに講話。参加者がポイントや課題を確認しました。
● ケアプランデータ連携システムとは
医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護職員、リハビリ職など35人が参加。3月21日に開かれました。「ケアプランデータ連携システム」について、発表者は「居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の間で毎月やり取りされるケアプランのうち、サービス提供票をデータ連携するもの」と説明。導入することで介護事業所の文書作成の負担軽減などのメリットを紹介しました。
● 導入への課題
他のデータ連携システムとも比較。利用条件や料金、利用形態などを比べて、それぞれの特徴を解説。いわき市内で「ケアプランデータ連携システム」を契約している事業所からは導入事業所数が少ない現状では利便性がまだまだ低いという意見もあったそうで、本格運用には「システム自体が広まっておらず、国が想定している効果は達成できていないのが実情」とし、課題が残ると感想を述べました。
● 介護報酬改定のポイント
「令和6年度介護報酬改定の動向」では、介護報酬改定率はプラス1.59%で、基本報酬に0.61%、介護職員の処遇改善に0.98%をそれぞれ配分すると説明。基本報酬がマイナス改定となるのは「訪問介護」「定期巡回随時対応型訪問介護・看護」「夜間対応型訪問介護」「介護予防訪問リハ」の4サービスという説明も。改定の時期のほか、処遇改善に関わる3加算を「介護職員等処遇改善加算」に一本化するなどのポイントも紹介しました。国の資料を市のホームページに掲載していると確認を呼び掛け、メールなどで質問も受け付けているとも。介護保険サービス事業所等集団指導講習会も動画配信する予定だとお知らせしました。
● 情報交換の時間も
参加者との情報交換では「ケアプランデータ連携システム」の課題が話題になりました。居宅が導入されていないと介護サービス事業所が導入しても使えないシステムで、かつ1事業所1端末ごとに費用負担が掛かるのも大きな壁のよう。「ケアプランデータ連携の導入を考えているか」を尋ねられ、居宅の参加者は難色を示していました。その後、グループに分かれてさらに情報交換しました。最後、山内俊明会長(医和生会山内クリニック院長)は本年度の取り組みを総括し「来年度も皆さんと楽しく勉強していきたい」と呼び掛けて締めました。
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