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投稿:2022年09月07日更新:2022年09月12日

山内クリニック コラム - 岩井淳一 救急救命

1127. 救急現場からのSOS~「救急の日(9月9日)」~

9月9日は「救急の日」。救命救急センター(いわき市医療センター内)に非常勤医として勤務する岩井淳一医師に“救急現場の今”を聞きました。(令和4年8月30日取材:事業推進室・皆川歩美)

⇒昨年の「救急の日」記事はコチラ

 

Q.第7波が拡大し、いわき市では毎日400~600人の感染が確認されています。救急現場はどのような状況ですか?

A.市内には救急車が13台ほどありますが、全車出払っていた日もあるほど、救急患者が急増しています。しかし、病院側は人手不足が深刻で、患者を思うように受け入れられないこともあります。家族が感染したり濃厚接触者になったりして、出勤できない医師や看護師が増え、治療や処置に対応できるスタッフが足りないからです。市内どの病院でも同じ状況なので、救急患者を受け入れられない病院も多く、昨年以上に厳しいです

 

Q.救急車を呼んでも来てもらえないということですか?

A.救急車が“動けない”状況が増えています。まず、搬送先が見つからず、救急車が患者を乗せたまま2時間以上現場にとどまるケースは珍しくありません。となれば、1台の救急車は3時間近く動けません。他にも、コロナ患者が救急車で搬送されてきた場合、医療センターでは他の患者への感染を防ぐため、救命救急センター内には運ばず、医師が車内で処置をすることもあります。実際に、コロナ患者を乗せた3台の救急車が医療センターの駐車場で待機していたこともありました。

焦って救急車を呼ぶよりも、自家用車で病院に向かった方がスムーズということもあります。

 

Q.これまで以上に医療センターに患者が集中していますか?

A.患者数は確実に増えています。いわきは、もともと休日夜間帯に患者を受け入れられる病院が少ない地域ですが、第7波によって医療機関でもクラスターが多発し、患者受け入れがさらに厳しい状態になりました。医療センターにも出勤できない医師や看護師はいますし、1人の医師がコロナ患者の対応で1~2時間身動きが取れなくなることもあります。スタッフが足りないなかでも、コロナ患者を含めた救急患者は増えています。もちろん、脳梗塞や心筋梗塞などの一刻を争う重症者が減っているわけではないので、残ったスタッフは、重症患者への処置に追われながらも、その合間を縫ってコロナ患者への対応をしています。他の医療機関も人手不足の中で対応されています。

 

Q.コロナ患者の状況はどうですか?

A.コロナ特有の肺炎が重症化するケースは少なくなりました。どちらかと言えば、感染によって体力が低下し、腎臓病などの持病が悪化する方や亡くなる方が増えました。「コロナは重症化しない」というイメージを持っている方もいるかもしれないですが、油断できない病気という事実に変わりありません。

 

Q.市民に伝えたいことはありますか?

A.「熱が出た」「のどが痛い」などの症状があっても、待てるようであれば、できれば朝まで待って、平日日中に「かかりつけ医」や発熱外来に電話で相談、受診をしてください。コロナに限らず、夜間休日は詳しい検査ができず、応急的な処置になる場合が多いからです。

感染力が強く、誰がどこで感染してもおかしくありません。「いつもと体調が違うな」と思ったときに、仕事を休む、遊びに行かない・出歩かないという基本的な行動を守ってほしいです。

 

(インタビューに答えてくれた医師・岩井淳一)

(プロフィール)

金沢医科大学卒業後、同病院救命救急科での勤務を経て、2015(平成27)年より山内クリニック勤務。2011(平成23)年に発生した東日本大震災ではDMATとして宮城県に派遣された経験を持つ。現在は、外来診療・訪問診療のほか、「いわき市医療センター」の救命救急センターの非常勤医としても勤務しており、救急から看取りまで幅広く対応している。

詳細は医師紹介ページ⇒https://iwakikai.jp/doctors/#iwai_jun

 

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